たのしくも悩ましき、春の夢

タカラヅカ、観劇前ランチ、ひとり暮らし

和希そらが真ん中の世界を観てみたい

 

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和希そらの舞台が好きだ、というだけの文章です

 

ひいきじゃないのに、ついつい目で追ってしまうジェンヌがいる

他組を観に来た時くらい、気楽にまったり観劇したいのに。必死でオペラで追いかけてしまう、オペラ泥棒

和希そらをいつから見ていたか覚えていない。わたしの中ではいつのまにか宙組公演に行くと、見てしまうひと

派手にキラキラするオーラをまとっているわけじゃない。背も大きくない。でもその体が跳ねて空中に弧を描くと、なんだこのひと!?てなる。途端に輝きだす。圧倒的なパワーに溢れる

で、立っている位置がいつも端。宙組はきっちりピラミッドの印象だから、上から数えて7番目くらい?の和希そらは前列の端か、2列目のセンターが定位置

あんなにすごいのに、小型の台風みたいなのに、いつだってオペラは上手端か下手端に向けられることになる

少し前の礼真琴を思い出す。4番目くらいだった頃、学年順の立ち位置優先になると、ひとり舞台端まで移動していた。「パッショネイト宝塚」とかけっこう激しいショーなのに、ひとり運動量多くない?って位、センターと下手端を行ったり来たりしていて可笑しかった記憶がある

もちろん新公主演をガンガン演ったまこっちゃん(礼真琴)と、和希そらが同じだとは思っていない

思っていないけれど、和希そらにはこのままで終わるワケがないと思わされてしまう

 

ダンスだけじゃない、ちょっとした動きにリズムがあって観ていて飽きない。友人にこれを言ってもあまり賛同してもらえないんだけど、やっぱりまこっちゃんに似ていると思うんだよな、動きのキレと、野生動物っぽい雰囲気が

だから2人が舞台で並んだところを観たいと思ってしまう。ダンスでも歌合戦でも演技バトルでもなんでもいいから、観てみたい。ガチで2つの才能がバチバチに輝くところを

まこっちゃんのパーソナルブックで写真で共演しているのを見ると、頭身バランス的にもビジュアル的にも2人の相性は悪くないと思うんだよね

 

タカラヅカ版「天は赤い河のほとり」は正直なところ小柳先生の描きたいものと私の観たいものが一致しなくて、がっかりしてしまった

それでも毎週のように劇場に通ったのは、9割がた和希そら(カッシュ)のせいだ

原作のカッシュはど真ん中の格好良さというより、バンドで言えばギタリスト、少年漫画で言えば主人公の親友みたいな感じの格好良さだ

それって和希そらの格好良さの持ち味にも通じると思う

和希そらにぴったりな役に見えるのだ。ちょっとお調子者でリアリスト、お茶目で少年のような、ていう感じがぴったり

カイル殿下にレモンを投げて貰ってはしゃぐ、和希そら(カッシュ)が可愛い

留依蒔世(ミッタンナムワ)とじゃれているのが可愛い

美月悠(イル・バーニ)に絡みに行って冷たく追い払われるのが可愛い

和希そら(カッシュ)は、カイルの身代わりにティトが殺される時、目を離さないんだ。留依蒔世(ミッタンナムワ)も蒼羽りく(ルサファ)も思わず顔を背けている横で、現実から目を逸らさない強さ、眼差しに胸が熱くなった

 

原作でカッシュの恋人ウルスラは、皇帝暗殺容疑のかかったカイルとユーリの身代わりに死ぬのだけれど、(タカラヅカ版でその役目はティトに替わっていた)このお芝居では、そもそもウルスラが出てこない(白目)

それでも和希そら(カッシュ)は原作通りに彼女の髪を編んだ髪飾りを付けて出てくる。そしてラストシーンの戴冠式で、さりげなくその髪飾りに手をあてて撫でるのだ。舞台の端っこで。ライトもあまり当たっていない暗がりで

原作へのリスペクトを感じた

その演技に初めて気がついた時、ああもし和希そらの番手がもう少し上なら、あと2回くらい新公主演していたなら、もっと尺とセリフと場面があったなら、ああもしそうしたら、どんなに素晴らしい舞台の魔法が観られるだろうかと思った

和希そらだけじゃなく、場面を削りに削られた全員に言えることだとは思うけど。役創りしたものを、もっともっと表現したかっただろうな、と切なくなった

新公ルキーニでも、そのルキーニに似たストーリーテラーでも、コメディな医大生でも、和希そらの魔法はすごかった

それをわたしは観たいんだと思った。和希そらが真ん中の世界で 

 

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