ーネタバレしてますー
- 何か知らんけどめっちゃ人気、パンフレット完売
- 描写は覚悟して観たけどそれほどじゃなかった(ほっ)
- 2人のビジュアルが見事に少女漫画だった
- 北イタリアの田舎の風景の素晴らしさ
- 本当に豊かな生活とは
- ブロークバックマウンテンは遠くなりにけり
- 80年代のカルチャーが自然でかっこいい
何か知らんけどめっちゃ人気、パンフレット完売
先日、別の映画を観に行ったら、「君の名前で僕を読んで」の夜の回が完売していた
レディースデーの水曜日といえど舞台挨拶もイベントもない普通の日が、完売って珍しいなと気になりました
カウンターには
〝「君の名前で僕を読んで」のパンフレットは豪華版、通常盤共に完売しました〟
の表示。ぐぬぬ、ますます気になる
気になりすぎて観てきました!良かった!
描写は覚悟して観たけどそれほどじゃなかった(ほっ)
少年のひと夏の恋が始まって、終わるまでの物語
観はじめてしばらく、そのじっくり丁寧に描く感じがあの映画を思い出しました、アデル、ブルーは熱い色(字幕版)
時間の流れ方があんな感じ。ものすごーく丁寧に丁寧に少年の恋ごころを描いています
「アデル、ブルーは熱い色」よりあからさまじゃないです。ちょっとほっとしました。ガチすぎるシーンは、どんなに美しく撮ってあっても微妙な気持ちになる。見世物っぽく見えて落ち着かなくなる。好みではないのです
この「君の名前で僕を読んで」はそこまでではなくて、じゃれあってる感じが多かったです。とりあえず、最初に書いておく(笑)
2人のビジュアルが見事に少女漫画だった
エリオ君も恋に落ちる相手のオリヴァーも彫刻の様に美しい
女性に人気らしいのはそのせいかな、とも思う
ビジュアルがまんま萩尾望都の世界です
特にエリオ君とかくるくる巻き毛で大きな目でいかにも少女漫画って感じ。オリヴァー君もちょっと年上で尊大な感じなもんだから「残酷な神が支配する」を連想してしまった(ストーリーは全然違います。むしろ真逆)
もう洋画版、萩尾望都でいいと思うw
北イタリアの田舎の風景の素晴らしさ
少年エリオ君の恋ごころはおいといて(おいとくんかい)北イタリアの田舎の風景の美しいこと美しいこと!
この映画がヒットした理由はこの風景の美しさを、まるで自分がそこにいて、夏を楽しんでいる気分にさせてくれる様な空気感で撮っていることだと思う
子供の頃、夏休みにおばあちゃんのいる田舎に行った時の感じを、映画を観ていて思い出して懐かしくなりました
田舎の自然が美しいのはどの国も同じなのかもしれないな
ちょっと街へ出るのに自転車とか、裸足になってしょっちゅう水につかるとか
そう、水がいっぱい出てくるのですが、小川のシーンが胸が痛くなるくらい美しかった
あと夜の描写。夜のひっそりした空気。日本の夏なら虫の声だけど北イタリアだからそんなのない。でも夏の夜のあのなんとも言えない祝祭的な感じ。わたしも〝そこ〟にいる感じ。映画の中にいつの間にか入っている感じ、が素敵だ
本当に豊かな生活とは
あとヨーロッパ人のバケーションの過ごし方の上手さというか文化が上手く捉えられていて、数世紀のちには、〝このようにしてヨーロッパのひとびとは夏を過ごしてました〟資料になるんじゃないかとすら思った。日本については何もいうまい
とにかく金じゃない豊かさがじゃんじゃん出てきて、やっぱ何世紀もバカンス文化を育んできた白人裕福層の凄みみたいのを勝手に感じちゃいました。ああ。。
豊かさというのは精神的なものも含めて
最後にエリオ君に父親が話すセリフが人生だった
泣けはしなかったけど、エリオ君が心の底から羨ましくなった
心も体も一度しか与えられない、心はすり減る、体はいつか誰にも見られなくなる
でも君が今感じていること得たことは素晴らしい、、
とかなんとか感動したわりに、よく覚えてないんですけど(海馬が頼りないわー)
要するにパパは息子が男に友情以上の何かを感じたことを、人生で素晴らしいことだと、お前は貴重な経験をしたのだと言っているのですね
それがじんわり良かったです
母親も2人の関係に気がついているんだけど、何も言わない。さりげなく2人で過ごせる時間を作ってあげたりする
そして息子の恋が(おおかたの予想どおり)実らなかったと知ると、夫を顔を見合わせてがっかりする
知ってたことは最後まで言わない。夫も息子に嘘をつく〝ママは知らないと思うよ〟って
この両親の思春期の子供に対する距離感が絶妙で素晴らしすぎて、先日観た映画は距離感がぶっ壊れている母親だったので、なんか家庭って、どんな家に生まれるかって、宝くじに当たる様なもんだよな、って思った
ブロークバックマウンテンは遠くなりにけり
同性愛の映画だとよく覚えているのは「ブロークバックマウンテン」だけど、あれは片方が同性愛を理由に殺されてしまうのだった
そしてもう一方はというと、2人の蜜月を思い出しては自己完結して独り年老いていくっていう悲惨なストーリーだった
なんで愛した相手が同性だと悲劇的な終わり方をしなきゃならないのか
まるで同性愛は今だに罪みたいじゃないか。映画はエンタメなんだから、ハッピーエンドな同性愛カップルの映画が観たいと思ってた
この映画はハッピーエンドじゃないけど、主人公のエリオ少年は愛されている。彼が映画の中でいつも浴びてる夏の日差しの様に、質の良い愛情を両親からたっぷり注がれて、青春の1ページを生きているのだ
80年代のカルチャーが自然でかっこいい
時代は80年代、音楽とかエリオ君の服装とか髪型にそれが現れている
でもよくある80年代=ちょっとダサい、ていう感じじゃない
むしろ80年代がこの映画ではスタイリッシュに見える。なんでだろう?80年代の過剰さを抑えているからなのかな
音楽とか全然くわしくないので、どれだけ当時の音楽が使われているのか分からない
でもサントラが!Amazon primeミュージック…にはないけど(残念)、Amazon music Unlimited にアップグレードすれば聴けるみたい。思わずアップグレードしちゃいそうになる勢いだ。悩むなあ
本は買う。映画とは違い2人が再会するところまで描いているらしいので、読みたい
アカデミー脚色賞を取っているとのことなので、原作とどこまで違うのか興味しんしん
映画って楽しい!
公式サイト